第1章 両面宿儺
記録 2018年6月 宮城県仙台市
杉沢第三高校
「…ないですよ」
《「え?」》
「百葉箱空っぽです」
《「マジで?ウケるね笑
とりあえずさ
それ回収するまで帰ってきちゃ駄目だから♪」》
ガチャ
ツーツー
(………今度マジで殴ろう)
眉間にシワをよせた黒髪青年はその場を後に暗闇に消えていった
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「本当にいいんですね?…先輩、あやめ」
ゆっくり周りを見渡しながら確認するピンク髪の男子生徒
杉沢第三高校 1年生 虎杖悠仁
同2年生 心霊現象研究会 佐々木
同2年生 〃 井口
1年生 〃 日永祈あやめ
佐「い、いいわよ…!」
井「…ゴクリ」
あ「ドキドキするね……」
虎「よっしゃ! いくぞ!!」
「「「「こっくりさん、こっくりさん
生徒会がギリ負ける生き物を教えて下さい」」」」
ススス…
く、
り、
お、
ね
コインは確かに【くりおね】と動いたのを見て4人は大爆笑
すると突然扉が勢いよく開けられ、見るとプランクトン会…生徒会長が凄い剣幕で立っていた
どうやら、活動報告のない心霊現象研究会は部室を明け渡さなければいけないらしい
が
佐々木先輩が新しいネタとして、この学校にまつわる事を話し始めた
佐「屈強なラガーマンが次々に体調不良で入院…話を聞けばみんな奇妙な物音や声を聞いたと…
おかしくないですか?あのラガーマン達がですよ?
そこで30年前の新聞記事によると、建設会社の吉田さんが行方不明になり最後に目撃されたのが、なんと!当時建設途中だったこの学校なの!
しかも、その当時の吉田さんは借金をたくさん抱えていてヤバイ人達からも狙われていた
つまり!!
このラグビー場には吉田さんの死体が埋まっていて、一連の騒ぎは吉田さんの怨霊によるものなのよ!!」
決まった佐々木先輩の周りでパチパチと拍手を送るあやめたち
「いや……
原因はマダニだそうだ。
それより、1番の問題は虎杖悠仁と日永祈あやめ!お前達の籍がオカ研じゃなく陸上部にあり、同好会定員の3名に達していない事なんだよ!!」