第27章 peace of mind 赤葦
「いつから…その…俺のこと好き…だったんですか?」
何度も求め合って空も白んできた
俺は腕の中にいる彼女に問いかける
「うーん…いつからかな、京治くんから回ってくる経費報告からは仕事熱心なのが伝わってきて、しかもいつもキチンとしてたから、どんな人なんだろって気になってた」
「それで、あの時俺を見にきたってわけですか?どうでしたか?実物は」
「想像通りだった、誠実で仕事熱心で…あ、でもこんなにエッチだとは思ってなかったけど」
「嫌でしたか?」
「…やじゃないけど」
と自分で聞いておいて歩さんは照れる
「でもじゃあどうして、前に自販機の前で出会った時、食事の誘い断ったんですか?」
「断ったわけじゃないけど、あの時の京治くんは仕事の頑張りどきだと思ったから邪魔しちゃいけないって思って…」
「そうだったんですか、俺はてっきり脈なしなんだと…でも、ありがとうございます」
「え?」
「そんな風に思ってくれて」
「ううん」
「今までは経理として編集の俺を支えてもらってたけど、これからは恋人として支えてくれますか?」
「はい」
そう言って彼女は俺の腕の中で幸せそうな笑みを浮かべて眠りについた
ーend