第2章 party
歌謡祭の反響を受け
僕達の事務所は直ちに
Rev.と東條アンナとのミュージカルでの共演を企画した
けれど
来年早々ニューヨークに渡り
当分はそちらでの仕事を考えているという理由で
彼女サイドから断られてしまったようだった
マネージャーからその話を聞かされた時
僕は驚きと共に
彼女の実力なら海外でも必ず成功するだろうと確信した
歌番組への出演も
ライブ会場からの中継や特別なスタジオからというものが続いた為
アンナとは顔を合わせる機会のないまま
年末の賞レースの時期になってしまった
数々の大きな賞が発表される中
東條アンナは今年度の新人賞を総ナメにしていった
受賞式の会場や廊下で見かけるたびに
僕は彼女に声を掛けようとした
けれど
その直前にいつも誰かが僕に話しかけてきたり
どちらかがスタッフやマネージャーに呼ばれたりして
機会を逃してしまうのだった