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僕だけのDiVA【R18】

第1章 collaboration




割れんばかりの拍手と歓声が
僕を現実の世界に引き戻した

袖に下がった後も
まだ全身がフワフワしていた


僕は
前を歩く彼女を走って追いかけた


「…待って!」


アンナは足を止めて振り向いた


「…君がリハで歌合わせをしなかった理由が…よく分かったよ…」

『……』

「……あの即興の感覚…最高だった。………ありがとう…」


アンナは少し驚いたような顔をした後
すぐに真顔に戻った


『……こちらこそ…』


吸い込まれそうな黒い瞳が
僕を真っ直ぐに見つめた


「……」



(…何か もっと会話を続けなくては…)


そう思った時
後ろから
スタッフが僕を呼ぶ声がした

アンナは口元だけで微笑むと
そのまま
控室へと行ってしまった




たった10分間のパフォーマンスだったが
この日の僕達のセッションは
後々まで語り継がれることとなった





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