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僕だけのDiVA【R18】

第9章 そして…




◯ラミー賞銃撃事件は年月と共に風化し
悲劇の歌姫の記憶は次第に人々から忘れられていった


けれど僕達3人は
その後も時間の許す限りアンナを訪ね
声を掛け続けた



そしていつしか
彼女の部屋が僕達のたまり場のようになっていた





その夜も
いつものように仕事を終えた僕達は
真っ直ぐに屋敷へと向かった

階段を上がり
アンナの部屋のドアを開ける


「……アンナ………戻ったよ…」

「……ただいま……アンナ……」

「…アンナ〜…今日も疲れたぁ〜…」



呼吸器の音だけが繰り返されていた静かな部屋が
途端に賑やかになる


早速服を脱いで
日課の筋トレを始める健人と

それを横目に
ソファでゲームをする夏生


僕は付き添いの看護師に見守りの交代を申し出ると
ベッドの側の椅子に腰を下ろした



ここの所の僕は
次のミュージカルの台本を常に考えていた

この日もアンナに話し掛けながら
物語のストーリーを練っていった


「…アンナ……昨日の続きなんだけど………夏生と入れ替わりに健人を登場させた方がいいかな?………それとも…一度暗転して曲を流すか………その後の流れを考えると………んー……悩む所だな……………なぁ……アンナも一緒に考えてくれよ……………曲を流すとしたら…何がいい?…………アップテンポ………いや……シリアス系…か…………うーん……」






目を閉じて考え込む僕の傍で

ベッドに横たわるアンナの指先が

微かに動いた…























《 僕だけのDiVA end. 》




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