第8章 悲劇
誰も身寄りのない彼女の面会に来た唯一の日本人関係者という事で
僕は彼女の事務所の人間と共に呼ばれ
特別に担当医師から話を聞く事ができた
胸を撃たれたアンナは
病院へ向かう救急車の中で
一度心臓が止まったという
スグに蘇生が行われ
数分後
再び心臓は動き始めたが
一時的に血流が止まった事により
脳の方にダメージを負ってしまった可能性があり
最悪の場合は
このまま目を覚まさないかも知れないと言われた
医師の話を聞いた僕は
あまりの内容に絶句した
事務所の人間達は
彼女の復帰は絶望的だと言うと
早々に帰って行ってしまった