第2章 party
ドアが閉まった瞬間
アンナが首に腕を回した
突然の展開に
僕は戸惑った
『………クス…………もしかして………こういう意味じゃなかった…?』
「…………ぁ……」
『……嫌ならドアを開けて…パーティーに戻れば…?』
「……」
『……アナタが…選んで…』
彼女の瞳を見つめながら
ドア脇のボタンの方へゆっくりと手を伸ばした
僕の指がB1を押すと
アンナは唇を近づけてそっとキスした
吸い込まれるように堕ちていく四角い箱の中
唇を離すと
彼女は悪戯そうに微笑んだ
地下駐車場に着くと
窓にスモークを貼った黒塗りのハイヤーが待っていた
ホテルから通りへ出ると
煌めく夜の街並みを滑るように走り抜け
ハイヤーは閑静な住宅地へと入っていく
鉄製の門をくぐり
広い庭を抜けた所にある大きな屋敷が
アンナの自宅だった