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ヒロアカ短編集

第2章 好きって言って。※轟焦凍の場合※




就寝前、轟は敷布団でごろ寝をしながら何かの本を読んでいる。
戦場はそれが何かなど全く興味はない。
興味があるのはただひとつ。


「焦凍、好きって言って?」


これを言われてなんと答えてくれるかだ。
好きだと直ぐに答えてくれるだろうが、愛してるなら尚良だ。
そんな答えが返ってきたら沢山キスをしてやろう。
本を読んでる隣で同じようにごろ寝をしている戦場は彼をギュウッと抱きしめながら様子を伺う。


彼女が興味を持たない本を読んでいる所に唐突に放たれた言葉は轟を少し驚かせた。

少し思考が停止した。
これになんと答えたら彼女は喜ぶのか。
いや、そもそもなんでそんな分かりきったことを言い出すんだ?
好きかどうか不安になったか、本を読んでいるから構って欲しくなったか。
何にしても彼女は何らかの愛を欲しているようだった。

ふぅ、と一息ついて栞を挟み、パタンと本を閉じてローテーブルに置くとに戦場向き直り肘をついた。

肘をついていない方で戦場の頬を撫でる。
熱っぽい視線を送りながら頬を撫でると戦場は少し恥ずかしそうに身じろいだ。

あぁ、好きだ。
言葉で伝えても伝えきれない。
全身全霊で愛を伝えたい。


「好きだ、戦場…」


頬を撫で、囁くように言葉を紡ぐ。
そのまま後頭部へ手を滑らせ引き寄せチュ、とキスをする。
戦場は小さく声を出して瞼を閉じてそれに応える。
次に目を開けたら轟のオッドアイと視線がかち合った。
まさかキス顔を見られていたのでは…
そう思うと一気に顔に熱が集まる。

顔が赤くなるのが見て取れたのか轟はふっ、と微笑んで瞼にキスをする。


「戦場、好きだ」


同じ言葉を何度聴いても心がトキメキ全身の血が勢いよくめぐり始める。
熱を孕んだ視線や声音が戦場の下半身を疼かせる。
まだキスをひとつふたつされただけなのに。


ちゅ、ちゅ、とキスをしてくれる轟に戦場はヤキモキしてきた。
もっと深くキスをして欲しい。
熱く甘い舌で絡みたい。焦凍を味あわせて欲しい。


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