第1章 パラノイア。【黄瀬涼太】
Ryota,
彼女は毎日のように練習を見に来てくれた
俺が今、彼女よりバスケを優先させたい事をちゃんとわかってくれている
理解のある彼女だった
もちろん、練習を見に来るのは彼女だけじゃなく
ファンの子も多く見に来ていた
俺たちが付き合ってることは、周りには内緒だった
ファンでいてくれるのは有り難い
けど結局は
モデルの黄瀬涼太が好きか、顔が好きかで
俺を見てくれているわけじゃない
でも彼女は違った
健気で、真っ直ぐに俺を見てくれている
俺はギャラリーにいつも笑顔で手を振る
大事な彼女に向けて