第3章 櫻×大 1
-櫻井side-
コンビニで必要な物を買って車に近づくと...
智くんが胸あたりを押さえていた
苦しそうに息を荒くしているのか
肩が激しく上下しているのが見えた
それに気づいて急いで車のドアを開ける
「智くん!? どうかしたの? どっか苦しいとこある?」
智「しょ..く...はぁっ.. はぁ...」
「なにがあったの?智くん?」
智「..ゃ…く….」
「え?」
智「び..やく....のま....され..っ..」
「媚薬?」
智くんはコクコクと頷いた
媚薬...?
あいつそんなもん飲ませたのかよ...
一旦沈みかけてた怒りが
俺のなかで再燃していくのがわかる
「ごめんもうちょっとだけ頑張れる? すぐ家着くから...」
酷な事だと自覚しつつも
そう声をかけて急いでハンドルを握り、
車を発進させた
智「...んっ....はぁ」
色めかしい吐息を繰り返す智くんを
乗せた車を駐車場に止めると、
2人分の荷物を持って
助手席側に回って智くんの顔が見えないように
抱きかかえてエレベーターに向かう
いつもよりはるかに体温が高い智くんの躰を抱えながら
エレベーターに乗り、なんとか玄関に辿り着いた
「智くん..靴...脱がすね..?」
意識が朦朧としている様子の
智くんに声を掛けて靴を脱がすため、床に降ろした
壁を支えに自力で立とうとする智くんは
足元も覚束無いのかふらふらと床に倒れ込んでいく
智「しょ..く...ごめ..」
靴を脱がせ終えると、智くんを寝室に運ぶため
彼の膝と背中に手を回し、持ち上げた時
「え..?」
それと同時に智くんの躰がビクンビクンと大きく震えた