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aslan

第9章 運命の夜




翌日
襲名式は滞りなく行われた

二代目となったリンは
大広間を出る時亮二を呼び寄せた


『………話したい事があります………今夜…マンションに来てもらえますか……』

「……分かった…」


そして
リンとセツナは屋敷を後にした


門へと通じる石畳を歩いている時

少し前を歩いていたセツナがふと足を止めた

その直後
庭に植えられた木の陰から
覆面の男が2人飛び出してきた


「…伏せろ‼︎」


声と同時に銃声が響く
弾はセツナの肩と腹に命中した


「……っ…」


セツナはリンに覆い被さるようにして
彼女を庇いながら応戦する

セツナの放った弾がそれぞれの頭と胸に当たり
覆面の男達はその場に倒れた


足音と怒号が行き交う


「……リン…?…怪我はないか?」


焦ったような声に
リンは『大丈夫』と答えた


「………良かった……」


その時
リンはセツナが血を流している事に気が付いた


『………セツナ………撃たれたの……?』

「………心配…するな………大した事……な…い…」


言いながら
意識が遠のいていく


『……セツナ?……セツナ!しっかりして!』


泣き叫ぶリンの声に
亮二が駆け寄る

セツナは薄く目を開いた


「………リン………………泣…くな…………お前…は…………強く……なれ……」


そう言うと
血に染まった指を伸ばし
リンの頬に触れた


「……………笑って……くれ………リン……」


セツナの言葉に
リンは涙混じりの顔で無理矢理笑顔を作った


「……あり……がとう…………………リン…………愛…し…てる……」


セツナの瞳が閉じられ
頬に触れていた手が滑り落ちた







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