第8章 願い
長いキスの後
セツナの腕の中で
リンは言った
『……襲名式を終えたらすぐに…私は三代目に亮二さんを指名する………私が受け取るはずの遺産も…全てを譲るつもり…』
それが
リンの計画だった
『……私には何も残らない……それでも…一緒に来てくれる…?』
「…もちろんだ……オマエさえ側に居れば…他には何も要らない…」
" 誰も知っている人のいない土地に行って2人きりで暮らそう "
" リンが結婚できる年齢になったら、籍を入れて本当の家族になろう "
セツナの言葉に明るい未来を見つけたリンは
とても幸せそうに頷いた