第7章 事故
その場が解散になり
大広間を出たリンは
廊下に控えていたセツナの所へ行った
「……どうした……顔が真っ青だぞ…」
「……セツナ……早く車に戻りたい…』
セツナはフラつく身体を支えるようにして
屋敷の外に停めた車へと連れて行った
「………何が…あった…?」
『……』
その時
幹部達との相談を終えた亮二が屋敷から出て来た
亮二は後部座席のドアを開けると
「…チョットいいか…」と言ってシートへ座った
ドアが閉まり
密室になる
「……リン……大丈夫か…?」
亮二は
心配しているセツナに大広間での事を全て伝えた
あまりの内容に言葉を失ったセツナは
助手席で俯いたままのリンを見た
「……」
「……二代目襲名式は…明日の夜7時からここで執り行われることに決まった…」
「……っ…そんな…」
「……代表の不在が長引くのは『暁辰会』全体の為にも良くないという幹部連中の希望だ………確かにボスが亡くなった直後から他の組織はそれぞれ水面下で動き始めている……何か仕掛けて来られる前に…内部の混乱を収めておかなければならないんだ…」
「……分かってます……でも……」
『…セツナ………私は…大丈夫…』
「……リン…」
リンはセツナの目を見て頷くと
後部座席の亮二に言った
『………亮二さん……明日の襲名式…よろしくお願いします…』
「……あぁ………リン……俺に出来ることがあれば…何でも遠慮なく言ってくれ……」
リンが感謝を述べると
亮二は車から降りていった