第6章 満月の下で
リンの部屋へ連れて行き
ベッドの上に座らせる
身体を離そうとした時
首に回されたリンの腕に力が入った
「……リン……部屋に着いたぞ…」
話しかけても
返事はない
「…リン……手を離せ……水を持ってくる…」
『……』
「……………リン……?」
セツナの首筋に顔を埋めたまま
リンは
消え入りそうな声で言った
『……行かないで……』
「……」
『…………セツナ……………アナタが好きなの………ずっと前から好きだった……』
リンはゆっくりと腕の力を緩めると
動けないでいるセツナの頬を両手でそっと包んだ
『………ねぇ………キス…して……』
目を閉じたリンの顔が近づいてくるのを
セツナは見つめていた
そして
唇が触れ合う寸前
グラリと傾いたリンの身体は
そのままベッドに倒れ込んだ