第6章 満月の下で
マンションに戻ると
リンはバスルームへ入った
セツナはキッチンへ行き
ウォッカのボトルとグラスを取り出した
リビングのソファでグラスを傾けていると
ドアが開き
シャワーを浴び終えたリンが
身体にタオルを巻き付けたままの姿で
髪を拭きながら近づいてきた
『あー…やっとサッパリした〜♪』
「…リン……何か着ろ…」
リンは『分かってるってば』と言って
ソファの背もたれ越しにセツナのグラスを覗き込んだ
『……何飲んでるの?』
「…ウォッカだ…」
『…ふーん……美味しい?』
「……まぁ…な………フッ……でもオマエにはまだ無理だ…」
『…もぉ……また子供扱いして…』
「……クスクス……子供を子供扱いして何が悪い……それより…早く何か着て来…」
アッという間の出来事だった
リンはセツナの手からグラスを奪うと
なみなみと入っているウォッカを一気に飲み干した
「…っ…バカ‼︎何してる‼︎」
『…ケホケホ……ん…?美味しい…のかな?』
「オイ!大丈夫か⁉︎」
『……?……どしたのセツナ……そんな真剣な顔して…』
「…80度のウォッカ一気飲みしたんだぞ!……リン…何ともないか⁉︎」
『……フフ……だぁーいじょぶだいじょぶ……チョット……フラフラァ〜っと……する…だ…け…』
リンはそう言うと
後ろからセツナの首筋にグニャリと顔を埋めた
「…………全く…」
セツナは
リンの手から空になったグラスを取り上げてテーブルに置くと
彼女の身体を抱き上げた