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aslan

第4章 stray cat



季節は過ぎ
リンは14歳になった


反抗は更に強くなり
最近では
気に入らない事があると家出をするようになってしまった


行き先はカラオケかネットカフェ
中学生の子供が
年を誤魔化してひとりで夜を過ごせるのは大体そのくらいだった



リンが家出をした時
セツナはいつも
自分の部下数人を駆り出して徹夜で片っ端から店をあたった

大抵は数時間
遅くても夜が明けるまでには発見し
家に連れ帰ることができた


けれど一度だけ
朝になってもリンが見つからなかった時があった



セツナは一睡もしないまま探し続け
その翌日
夜が更けた頃に
リンの溜まり場へ向かった

集まり始めた少年達に昨夜の事を聞くと
ひとりの女友達の家に泊まるような話をしていたと分かった


少女の自宅を聞き出し訪ねるが留守だったため
セツナはその家の門が見える場所に停めた車の中で待ってみる事にした


日付が変わり
真夜中を過ぎた頃

爆音と共に2台のバイクが現れ
家の前で停まった


エンジン音が止み
小柄な方の少年の後ろに乗っていたリンが地面に降りたところで
セツナは車のドアを開けた




近づいて来るセツナの姿を見たリンは
アッサリと観念した


家の中から荷物の入ったボストンバッグを持って来ると
少女達に礼を言い
手を振って車の助手席に乗り込んだ




そして

驚くことに

リンは次の日から学校にキチンと通うようになった



『良い友達ができたのだろうか』




憎まれ口は相変わらずだったが

リンの嬉しい変化に

セツナは内心とても喜んでいた









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