第2章 shopping
pm 4:00
響也は自分の服をナナに着せ
靴を履かせた
「……フッ………ブカブカだけど……ま…仕方ねーな…」
そして
2人は地下駐車場に止めてある響也の車に乗り込んだ
街中を走りながら
「……まずは…服買わなきゃな………ナナ…どんなのが好きなの?」
『……ぇ……っと…………うーん……』
「…んー……じゃ…何か気になる格好してる人が居たら教えて…」
ナナは車の外を見回すと
ギターを背負って信号待ちをしている少年を見て言った
『……あの…人……とか…?』
「………ふーん……………なるほどね………リョーカイ…」
響也は繁華街の駐車場に車を停めると
裏通りの方へ歩き出す
ナナが後をついていくと
年季の入ったテナントビルの前で立ち止まった
ビルの壁はそこら中スプレーで落書きされており
手すりや階段には
色々なステッカーがペタペタと貼り付けられていた
階段を地下へ降りていくと
くぐもった音楽が次第に大きくなる
開かれたドアを押さえるように
" ROTTY "と書かれた電飾の看板が置いてあった
「…ぅぃす…俊太…」
「響也さん!ちーす!」
「…隆司…居る?」
「ストックの方に居るんで…いま呼んできます!」
俊太はそう言うと
レジカウンターの奥にあるカーテンの向こうへ消えた
入れ替わるようにカーテンの中から
この店の店長・隆司が顔を出した
「おー響也!元気か?」
「んー」
「どうした?今日は」
「…ぁ……彼女に…服選ばせてやって欲しーんだ…」
「おー!もちろん……気になったのあれば…何でも着てみてよ…」
「…サンキュ」