第5章 笑顔の裏側
その日は
" ROTTY "の定休日だった
昨夜帰りが遅かった響也を静かな部屋で寝かせるため
マンションの掃除に来ていた雅に付き合って
ナナもスーパーに来ていた
「…昼メシ何がいっかなー……ナナ…何かリクエストあるか?」
『…うーん……パスタとか?』
「…だな……ヨシ…そーしよ……味は?」
『…前に作ってくれた和風のがいい!キノコが入ったヤツ!』
「…?……あー…アレね……リョーカイ」
『やった♪…響也も喜ぶよ、きっと』
食材や飲み物を仕入れ
袋を下げた2人が響也のマンションの下へ着くと
後ろから軽快なクラクションの音がした
振り返ると
真っ赤なフェラーリの窓から
美しい女性が手を振っていた
「……愛子さん…」