第4章 友達
別に隠すことでもないから、あたしはおつるさんに聞かれるままに、今までの経緯を全て話した。
ミカヅキ島の教会出身であること。
ジョナサンをポアロ教会に預けに行くところだったこと。
教会に行ったら例の男たちがいたこと。
そして──。
彼女はあたしにこれからどうするかも聞いたけど、特に何も決まっていなかったからそれも正直に答えた。
代わりの受け入れ先を探すか。もしくはこのままもらった50万ベリーと共にミカヅキ島に帰るという手段もある。
どっちにしてもこれから決めないといけない。
一通り聞き終わった後、おつるさんはなるほどと呟いた。
「一体何者だと思ったけど、教会からやってきたただの女の子ってわけかい」
女の子…?
そう言われて初めてあたしは自分の格好に目を向けた。
いつも髪の毛を仕舞い込んでいる帽子がなく、血で濡れたはずの服も着替えられている。
「あんたが女ってことくらい、一目でわかる」
あからさまにびっくりしているあたしを見て呆れたように言うおつるさん。
そりゃ、あたしもずっと隠せると思って男装してないけどさ。だけど初めて見た人くらいには気づかれない自信があったのに。
「で、これからどうするかだが…この船はこれからミドル王国本島に向かう予定だ。とりあえずそこまで乗せていってあげるよ。そこからどうするかは自分で決めな」
驚いているあたしにかまわず、おつるさんはそれだけ言うと席を立った。
「赤子はこっちで見ていてあげるから、今は自分の回復だけを考えること」
去り際にそんなことを付け加えて、彼女は颯爽と部屋を出ていったのだった。