第2章 Hotel※
到着したのは
都内でも指折りの高級ホテルだった
ダブダブのTシャツに
汚れたスニーカー
短くカットしたジーンズの裾から伸びる長い脚を組んでロビーのソファに座っている女を
他の客達は物珍しそうに見ていた
チェックインを済ませたサトルが女を呼ぶ
エレベーターに乗り込むと
サトルは最上階のボタンを押した
『………オニーサン……何してる人?』
「……クス………その…オニーサンってのやめてよ…」
『…じゃ…何て呼べばいい?』
「……名前でいーよ……サトル…」
『……サトル…』
女は名前を呟きながら
目の前に立っている男の顔を見つめると
息を呑んだ
サトルは女を抱き寄せ
首の後ろに手を回した
「……それで………君の名前は?」
『………ぁ…………リサ……』
「………リサ…………楽しもう…」
サトルはそう言って微笑むと
リサに優しく口付けた
唇を離した時
彼女はどこか戸惑ったような顔をしていた
「………?…………どうかした…?」
『……ううん…』
リサは腕を伸ばし
サトルの首に絡ませた
『……もっと…して…』