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蝶【R18】

第7章 不安



リサ side 続き



「……リサ………俺……オマエの事……」


タクミは言葉を続ける代わりに
私にキスした


少し不器用で荒々しいキスは
彼の真っ直ぐな気持ちそのもののように感じた


" SAISON "で初めて会った時
太陽のように笑い掛けてくれたタクミは
いつも側にいて私を気遣ってくれた

タクミはいつしか私にとって
大切な友達になっていた


シンヤさんや他のスタッフには
私とタクミの仲の良さをよく冷やかされた


サトルから
私達がくっつく事を望んでいるかのような態度をとられた時は
さすがに少し傷ついたけれど

本当は
そうなるのが一番いいのかもしれないという事も
頭の中では分かっていた


口に出される事は無くても
タクミの私への想いはもう十分に伝わっていた
けれど
それはとても清らかで
私には眩し過ぎて
どうしても
受け止める事ができなかった

そして
何より私は
サトルの事を心から愛してしまっていたのだった



私は俯いて
彼の身体をそっと押し返した


『………ゴメンナサイ…』

「……」


タクミは悲しそうな顔で数歩後ずさりすると
背中を向け走り去ってしまった









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