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蝶【R18】

第7章 不安




穏やかに時間は流れ
数ヶ月が経った
ある日

週刊誌の一面に
大きな記事が載った


" 俳優・真山サトル ドラマ共演女優と熱愛 "



内容は
事実とはまるで異なる
根も葉もないものだった

けれど
国民的人気俳優のスキャンダルに
世間は大騒ぎになった


芸能リポーターは
仕事もプライベートもなくサトルを追い回し
マンションの出入り口にも
カメラを持った連中が待ち構えるようになった


「……ゴメンな…リサにも迷惑かけて…」

『…サトルは…何も悪くないよ…』

「……リサの事は…誰にも気付かれてないから……これまで通りに生活してもらって大丈夫だと思う…」

『……ぁ……うん…』

「……どうした?……何か…嫌な目にあったのか?」

『……ううん………そうじゃなくて……』

「……?」

『……私の事が…もしみんなに知られてしまったら……サトルは…どうなるの…?」

「……」

『……だって……本当じゃない事でもこんなに大騒ぎになるんだよ…?………私が…ココに一緒に住んでるなんて分かったら…』

「……リサ…」

『……怖いよ………サトルの全部……私のせいで壊れちゃうかも知れない…』


サトルは泣きそうな顔のリサを
なだめるように抱きしめた


「……リサ……大丈夫……そんな事にはならない………大丈夫だよ…」

『……』

「……でも、もし……もし…僕達のことが周りに知られてしまったとしても…リサは僕がちゃんと守るから。……だから安心して…」


サトルはそう言って微笑むと
リサの髪を優しく撫でた


『……』







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