第5章 真夜中
その夜のうちにサトルは
リサを自分の部屋へ連れて帰った
都心の高層マンションの最上階
驚いた様子で窓の外の夜景を見ているリサに
サトルは合鍵を渡しながら言った
「……今日からココがリサの家だよ……何でも自由に使って…」
一緒に暮らすにあたって
サトルはリサに2つの約束事をした
・高校にちゃんと通う事
・困った時は何でもすぐに相談する事
リサは素直に頷き
二人は指切りをした
次の日
リサは何ヶ月かぶりに
実家のアパートへ行った
鍵を開けると誰も居なかった
リサは
既に物置と化している"自分の部屋だった場所"へ行くと
無造作に部屋の隅に積み上げられた私物の中から
制服など学校に関するものを探してカバンに詰め込んだ
アパートを出る時
リサは一度だけ部屋の中を振り返った
『……』
そしてリサは
静かにドアを閉めた