第2章 Hotel※
リサ side
目を覚ますと
眩しい光の中にいた
ノロノロと身体を起こし
部屋を見回したが
他には誰も居なかった
ベッドサイドのテーブルに目をやると
数字の書かれたメモが置かれていた
私は受話器を取り
その番号を押した
「………」
『…………ぁ…の……』
おずおずと問い掛けると
明るい声が返ってきた
「……………… リサ?…………起きた……?」
『……ウン…』
「…………ゴメンね……仕事で…早く出たんだ………あんまり良く寝てたから…声掛けなかった…」
『………』
「……チェックアウトまで…まだ時間あるから……ルームサービスで朝食でも頼んで…ゆっくりして…………支払いは大丈夫……」
『……ん………ありがと…』
「………それじゃ…もう行かなきゃ…」
『……………ウン………じゃあ……ね…』
別れの言葉を言って
電話を切ろうとした
その時
「………ぁ!……そうだ…リサ…?」
『…?』
思ってもいなかった言葉が
受話器の向こうから聞こえた
「…………また………会えるかな……」