第21章 不確かな繋がり
「あなたは独りでも頑張ってるんだね」
花に触れて悲しげに笑う。
「私も…まだ頑張りたかったよ」
でももう、心身共に疲弊している。"弱虫"と頭の隅で憐れむような笑いが聞こえた。"独りじゃ何も出来ない天使のクセに全てが上手くいくと思うのが大間違いなのよ"と皮肉めいた声も聞こえた気がして、苛立つように頭を振る。
「(コーデリア…なんて羨ましい人。ライトくんから唯一、愛を与えられる特別な存在。)」
ユイちゃんも殺せば彼女も死ぬ。でも友達を手にかけることはできない。きっとユイちゃんも彼女の存在に悩まされているはず。殺せない私の代わりにユイちゃんが彼女を終わらせてくれるはずだ。
「──これで…もう、終わり。」
ロケットペンダントからソレを出し、両手に持つ。
「ごめんなさい、母様…。言いつけを守れなくて…掟を破ってしまって、ごめんなさい…。でも私…もう限界なの…許して──……」
もっと早くこうするべきだった
ゴクンッと飲む。
「(これで死ね…──)」
ドクンッ
「…え…?」
飲んだはずの薬で死ねるはずが、だんだんと身体が熱くなり始める。
「こんなところで、何やってるのさ、お花ちゃん?まさか、野外プレイ?ンフフフ」
「ラ、イトくん…?」
「んふ。顔が真っ赤だよ。悪い飲み物でも飲んだの」
「っ…そ、かも…」
「え?ビンゴだった?」
「(レイジさん…まさか、私を騙して…)」
息が苦しい。身体が熱い。この薬、なんなの。レイジさん…何を渡したの?
「どうしたの。そんなに震えて…」
「だめっ!!私に、触らないで!」
「ん?」
「あっ!!!」
ライトくんがちょっと触れただけで全身に小さな電流が流れたような感覚がした。
「その様子…本当に何か飲んだんだね…ん、このロケットの中に入ってたものか…」
ライトくんは私の手からロケットペンダントを奪う。
「んふ。これ、レイジのロケットだね。どうしてこれを?」
「……もらった、の」
「ふーん。催淫剤をねえ?お花ちゃん、こんなものもらって、どうするつもりだったのかな?」
「催…!?あっ…さ、わらないで!ダメ…」
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