第13章 変態行為が大好きなマゾヒスト(√)
ポロポロと涙を流し、ライトくんが放つ痛みが来るのを目を瞑って、じっと待ち構える。
「お花ちゃん?」
怖くて体が小刻みに震え、今すぐ拷問部屋から逃げ出したい。ライトくんの持つ道具で痛みを与えられ続ければ、きっと私は泣き叫んでしまうかもしれない。
「お花ちゃーん」
「っ…………」
「あーあ…こんなに震えちゃって。ほら、お花ちゃん。こっち見て。」
「イヤ…もう、やめて…」
ライトくんに触れられ、いやいやっと首を振る。
「そんなにイヤイヤされると、ボクだって傷つくよ?」
「(ライトくんが悪いんじゃない…)」
そんなヘンな道具で私を痛めつけて
「(やっぱりライトくんが怖い。)」
「……………」
くいっと顎を掴まれ、上を向かされる。ライトくんの真剣な顔が近付いてきたかと思えば、また唇にキスをされる。
「んっ……!?」
「んっ……チュッ」
唇が離れると私は顔を歪ませる。眉を寄せ、泣きそうな顔でライトくんを見た。
「最低……」
「キミの唇は柔らかいね」
「キスしないで」
「クセになっちゃいそうだよ」
「んっ……っ、やめてってば…!」
「ふふっ……んーっ……チュッ……はぁ……チュッ」
「っ…………」
「可愛いね、お花ちゃん」
甘い言葉を吐いたライトくんは拒む私に何度もキスを繰り返した。
「…可愛いって思ってもないのに、可愛いなんて言わないで」
「え?本当に可愛いと思ってるよ?」
「女の子だったら誰にでも言うんでしょ」
「他の子に言う"可愛い"と、お花ちゃんに言う"可愛い"は同じだけど全く別の意味だよ」
「そうやって上手く誤魔化そうとしても絶対に騙されないんだから」
「別に誤魔化しても騙してもないんだけどなぁ。ボクは会う度にキミのこと、本気で可愛いって思ってるよ」
「…嘘つき」
「キミは中々折れないし、手強いね。これはもっとたくさん可愛いって言わなくちゃ」
「だから思ってもないことを…!」
「───可愛いよ、ボクのお花ちゃん。」
「……………」
柔らかな声色で囁かれ、ライトくんにもう一度、キスをされた。
next…