第32章 89の日
ーーー···
「結局太宰さん帰って来ませんでしたね」
「何時もだからね。僕も慣れましたよ」
「敦くん、偉いえらい」
なでなで
「天音···さん。ありがとう」
ーーーーー·····
ぱちん☆
「···っ」
「他の女がいるなら最初から来ないでよ!」
だだだ
(あー···帰っちゃった。)
どうして女性は直ぐ私を叩いて泣いて逃げるんだろ。
くるっ
「かーえろ!····でも」
ちょっとだけ
顔みたいな
☆☆☆
(来たはいいが···私らしくないな。)
普段は途中からでも来たくないし。
でも
ガチャ
君の顔を見たら何かが変わると思えたんだ。
がらん
「····天音···?」
室内には誰もいない
(時間帯的にみんな帰ってるしな)
「あれ?お疲れ様です太宰さん」
「ーー!」
「朝からいなくなって今帰宅でしたか。敦くんが心配していましたよ?」
「もう帰宅時間じゃ··。」
「社長に報告して今から帰宅します」