第21章 なでなで
ひとに頭を撫でられた事はない
それは兄さんだけが許された。事
「あっ、おはようございます。銀ちゃん」
おずっ···。
「!·····おはよう···」
「ゆっくりでいいですよ。だいぶこの生活には慣れましたか?」
こくり
「·····うん」
「えらいですよ」
その人の言葉は優しく
今まで見てきたひととは何かが違うし、兄さんにしか撫でられない頭を
なで
「えらいですよ」
「····あっ」
優しく撫でてくれる。
あなたは
「·····さ··ん」
「ん?」
「あなたは····私たちの、お母さん?」
「はい。私は··銀ちゃんと芥川くんの"お母さん"ですよ」