第1章 、
医務室に二人きりになって、何分か経った。どちらも口を噤んだままだった。蝉の鳴き声だけが響いていた。
「あのっ「あ、」」
同じタイミングで喋る二人。居心地の悪い時間が流れる。再び口を閉じるを見て、口を開く悟。
「...さっきの傑の質問の答え、聞かせろよ、」
『それは友達として?それとも恋愛感情?』
は深呼吸した。ずっと合わせずに居られなかった悟の目をみて、口を開いた。
「...多分、好き。 恋愛感情で。」
「マジ?」
「うん、マジ。」
驚いた顔をした悟は私をぎゅっと抱きしめた。「何で昨日言ってくんなかったの。やべー、超嬉しい」
さっきまでの気まずい雰囲気も、自分の身体の痛みも吹っ飛んで、私も悟を抱き締め返した。
キンコンカンコンと授業開始の鐘が鳴る。悟は離れたく無さそうだったが私の心臓が持ちそうに無くて、無理矢理教室に送り出した。
それからの時間はあっという間だった。医師の診察を受け「今日はゆっくり休んで、明日からは授業受けても大丈夫。それから今後は絶対に無理はしないように」と釘を刺された後に、寮に戻ることを許可された。
寮までの道のりは、お昼までのモノクロの世界と一変して色付いた世界が広がっていた。
部屋でゆっくりしていると、ピンポーンと呼び出しの音が鳴る。入ってきたのは悟だった。
「悟がインターホン鳴らすなんて珍しいじゃん。」
「まぁ、たまには。」
何故か悟は緊張した面持ちで、それにつられて私まで緊張してしまった。
「昼さ、俺、舞い上がって大事な事言えてなかったんだけど、」
サングラスを外して、真っ直ぐな目でこちらを見てくる悟。
「付き合って、くんない?」
「はい。... よろしくお願いします。」
は顔を真っ赤にしながら答えた。目を泳がせながら、でも出来るだけ悟の顔を見て言った。
「やべー!俺今幸せすぎる!」
悟の喜んでいる顔を見て、私も嬉しくなった。