第11章 備えろ、期末テスト
そして合宿前日。
私は心操くんと体力強化のトレーニングに励んでいた。
「心操くん、だいぶ筋肉ついて来たんじゃない?」
以前より肩幅がガッチリしたように見える。
「そうですかね?
でもトレーニングメニューもだいぶこなせるようになって来たんで、力が付いてたら嬉しいです。」
「私、個性の関係上で脂質が雲になるから中々筋肉が付かないんだよね〜。
成長期の男の子、羨ましいな〜。」
「他人を羨んでても仕方ないんじゃなかったですか?」
心操くんがニヤリと笑った。
「あ!生意気!!」
私が心操くんの頭をグチャグチャ〜っとしていると後ろから低めのドスの聞いた声がした。
「随分と楽しそうだな、お二人さん。」
「消太くん」
「イレイザーヘッド」
私と心操くんの声が重なる。
「……体力強化は順調か?」
随分と機嫌が悪そうに見える。
何かあったのだろうか。
あまりの眼力に心操くんもビクッとしている。
「じゅ、順調順調!
最近はランニングも私の速さにようやく着いてこれるようになってきたもんね!」
「……すぐ追い抜きますよ。」
また生意気を言っている。
私と心操くんはだいぶ打ち解けたようだ。
「ヒーロー科の合宿が終わったら
捕縛武器の訓練に入る。そのつもりでいろ。」
そう言うとくるりと踵を返し戻っていった。
「……やったね!」
「はい。」
心操くんはグッと拳を握った。