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イケメン戦国/お殿様!って言わないで

第20章 熟慮断行(じゅくりょだんこう)


「阿呆が更に酷くなるぞ。」

『もう!信長さま!佐助くんにイタズラするの、やめてください!』

佐助の悪寒の原因…本家・信長が嬉しそうに笑っている。

スーパーセルの説明辺りから、佐助の真横で ずっと凝視していたのだ。

ひなは文句を言いたい気持ちを隠すのに必死だった。

「それにしても、そんな摩訶不思議な事が起こるとは。俺もこの目でぜひ確かめたいものだ。」


(あぁ…私達の秘密をバッチリ聞かれてしまったらしい。)

本家・信長は興味津々な顔をしている。

「もちろん快諾だろうな。」

『うぅっ…解りました。佐助くんには事情を話します。

でも摩訶不思議な現象を見るだけですよ!見るだけ!』

解った解った、と面倒臭そうに本家・信長が言う。


「ところで、あの妙な忍とは恋仲なのか?」

『ふぇっ?』

(急に何を言い出すのかと思えば。驚いて変な声、出ししちゃったよ。)

「阿呆を絵に描いたような返事だな。」

『阿呆、阿呆言わないで下さい!私と佐助くん…さっきの忍の彼は…友達ですっ!同郷の…。』

「そうなのか。随分 熱い眼差しを交わしていたようだが。」

『ですからっ…。』

「もし恋仲なら、今のうち存分に楽しんでおけ。

いざ戦が始まれば会うことすら ままならなくなるだろう。

時として…永遠にな。」


『そんなっ…。』


ひなは目の前で倒れた侍の事を思い出し、言葉に詰まる。


「いいか、ひな。元の時代とやらに戻りたいのなら
この戦国時代で生き抜く覚悟を決めろ。

貴様は今、一国一城の主なのだ。

貴様の言葉や行動が、そのまま家臣共、はたまた安土の民の原動力となる。

戦は近い。弱気な顔をしていては足元を救われるぞ。」
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