• テキストサイズ

【黒子のバスケ】短編集【リクエストどうぞ】

第5章 緑間 真太郎


_____つがえ、



息を吸う。



_____構え、



息を吐く。



_____狙い、



真っ直ぐに顔を上げ、目標を捉える。



_____定め、



一気に腕を引く。

そして、


_____放つ!








パァン、という心地よい音とともに、的の中心を矢が射抜く。

その光景に、思わず、「おお」と感嘆の声が口から漏れた。

弓を矢立に入れ、的から矢を引き抜きに行く。

苦労して矢を抜いた後、縁側に座って休憩をとった。



「相変わらず、だな」



不意に、後ろから声を掛けられて。

くるんと首だけ振り仰げば、幼馴染の、

……片想いの相手の真太郎が立っている。

ほんの一瞬だけ驚いたものの、

「____こんにちは、だろう。【親しき中にも礼儀あり】だ」

いつもの癖で、ぷいっと顔を逸らして、
口からはそんな言葉が飛び出た。



_____こんな事を言いたいんじゃないのに。



もっと他愛ない話をして、会話を繋ぎたい。
少しでも話していたい。

不器用な己には、出来ぬこととわかっているが。


「お前が来るという話は聞いてない」

ほら、こうして、ツンケンとした話し方しか出来ない。

「……突然で悪いが、
ラッキーアイテムが無いのだよ」



本当に突然だな。



「……今日のラッキーアイテムとやらは?」


いい加減、そのおは朝信仰をやめろ。


まあ、だいぶ慣れたが。
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp