• テキストサイズ

【黒子のバスケ】短編集【リクエストどうぞ】

第4章 紫原 敦


※新婚さんパロになります。















オーブンから、いい匂いが漂ってきた。

頃合いを見計らって、ソファにもたれ掛かる敦に声をかける。

「むっくん、おやつできたよー!」

現在の時刻は午後三時。

お菓子好きな旦那様に、

「お菓子食べ過ぎだから三時から三十分だけの間に食べなさい!」

と約束した(させた)。

だから、その約束をきちんと守っておやつタイム。





でも、今日はちょっと特別。

だいすきなむっくんの、一年……ううん、一生で一度だけの大切な日だから。





「なーにー」

のっそりとこちらを向くむっくんに、満面の笑みを浮かべて一言。

「おやつ出来たよ!」

その言葉を聞いた瞬間に、むっくんの表情がキラキラと輝く。

待っててねと言って、オーブンの中のクッキーを皿に盛り付けていく。

バスケットボールの形にしたそれは、型崩れもなく綺麗に焼けてくれた。

味見をしてみたいけど、むっくんに一番に食べて欲しいから我慢。

そしてテーブルの上まで皿を運び、むっくんの前に座った。

食べていい? と問いかけるような視線に首を振って。

きょとん、としたむっくんに微笑みかけ、





「むっくん


誕生日おめでとう!」







一瞬呆気にとられたむっくんは、でも、すぐに笑い返してくれた。

「ちん、ありがとー」


それから。



むっくんが身を乗り出して、私にキスをした。

……柔らかいその感触に、頬が火照る。

一人で悶絶しているとむっくんが、

「お返し、してくれないの?」

と言った。

私は普段なら恥ずかしくて断るけど……


___今日は特別だもん。



一生懸命背伸びして、キスを返した。

むっくん本当に幸せそうな笑顔を浮かべて。


私も、すごく、すっごく幸せな気持ちになった。








(むっくん、生まれてきてくれて……


私を選んでくれてありがとう!)


(それこっちのセリフだし……クッキー美味しいよ)


(ケーキもあるからね!)






/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp