第18章 代わり映えのない日々に花束を
~夢主side~
杏寿郎との出会いから、3度目となる春がやってきた。
あれから2年の歳月が流れ、お付き合いを始めて今年で3年になる。
平穏な日々を過ごしつつも、私達は愛を育んでいる。
何一つ代わり映えのない、幸せな日々。
私達は2年前とは変わらずにいるけれど、周りには大きな変化があった。
不死川さんと玲愛ちゃんの間にとっても可愛い女の子が産まれたこと。
宇髄さんとまきをさんが結婚して、今年赤ちゃんが産まれるってこと。
そして……
あの海での事をきっかけに、義勇さんとしのぶちゃんがいつの間にかお付き合いを始めていたこと。
聞かされた時は驚いたけど、あの義勇さんが照れ臭そうにしてる姿を見れて、こっちまで幸せな気持ちになれた。
善逸くんは炭治郎くんの妹の嬭豆子ちゃんといつの間にかお付き合い始めてたし、炭治郎くんはカナヲちゃんといい雰囲気になってる。
早くくっつけばいいのに!って思う程、2人は会うたびに初々しい反応をしている。それが微笑ましくもあるけど…
伊之助くんはその気があるのか、フラムやフィエルテに毎日のように足を運んではアオイちゃんに怒られていた。
『毎日毎日、暇なんですか?!貴方は仕事をちゃんとして下さい!』
『はぁ~ん!?俺様はうまい飯が食いてぇだけだ!お前の飯、うめぇからな!』
こんなやり取りをいつもしていた。
そして私の大親友の綾ちゃん。
最近、駿くんからプロポーズをされて、秋には結婚式を挙げる。
今日は私も杏寿郎もオフだから、どこか出掛けようかって話を昨日してたはずなんだけど……
「ぅぅん……あ、れ…杏寿郎?」
私が目を覚ますと、隣に杏寿郎の姿がなかった。
先に起きてジョギングにでも行ったかと、のそのそとベッドから降りてお水を飲もうとキッチンに向かった時だった。
「ん?…何だろ…?」
ふと、テーブルの上に綺麗な花が置かれていた。
そして、そこにメッセージカードも添えられていた。
「わ…ガーベラ。」
可愛いリボンで巻かれた3本のガーベラに目を向けつつ、メッセージカードを見る。
『あなたを愛している。 フラムへ向かってくれ』
杏寿郎の綺麗な字で、そこにはそう書かれていた。
その意味がよく分からなくて、杏寿郎に連絡しようと携帯を手に取ると一件のメッセージが入っていた。