第14章 ふくらみ…ふくらむ。 *
「あっ…んぁあっ、きょ、じゅろぉっ!」
「陽奈子…陽奈子っ……好き、だっ!…陽奈子…」
名前を何度も呼びながら律動を速めれば、奥から吐精感が込み上げる。
「あっ…杏寿郎っ…ぎゅって、してっ…?」
絶頂が近いのか…両腕を広げてせがむ陽奈子を掻き抱いて、最奥をズクリッと突き上げる。
「…も、いっちゃ…あ…ふ、あぁぁっ!!!」
「…うあっ、…俺も、もうっ…くぅっ!!」
一緒に絶頂を迎えると、そのまま陽奈子に倒れ込む。俺の重みで押し潰さないよう、両肘を付いて達したばかりの呼吸を整える。
「はぁ、はぁ…陽奈子…身体は、大丈夫か?」
「んっ…ぁ、うん…だいじょ、ぶ。」
そう言って首に回している腕で俺を引き寄せると、陽奈子からキスされた。
ちゅっ
「杏寿郎…大好き。」
「あぁ…俺も大好きだ。」
再び唇が重なって、そのまま抱き合った。
今はこのまま…繋がったまま、この瞬間の幸せに満ちた気持ちを噛み締めたくて……
情事後の処理を済ませて、一緒に風呂へ入ることにした。
まだ身体を起こすのが辛そうな陽奈子をそのままにして、風呂の用意をするために浴室へと向かう。
(そう言えば、宇髄から「引っ越し祝いだ」と言って入浴剤をもらっていたな。早速その入浴剤を使うとするか…)
渡された時、宇髄の表情に少し引っ掛かりを覚えたが、俺の思い違いか…。
箱を開けると、色取り取りのパッケージが目に入る。
「なるほど、色んな香りがあるのか…これは、ローズ…バラか!陽奈子も気に入ってくれそうだな、これにするとしよう!」
箱の中のひとつ、ピンク色の小袋を手に取るとその中身はどうやら液体のようだ。
入浴剤とは粉状のものだと思ったが、液状のものもあるのだろうか、と裏の説明書きを見ると目を疑った。
「よもっ…!宇髄の奴…またとんでもないものをくれたな…だが、これはこれで中々良さそうだな。」
独り言を呟きながら、風呂の支度を済ませると陽奈子を迎えに部屋に戻る。
「陽奈子、風呂の用意が出来たが起き上がれるか?」
迎えに行くと少し眠たそうに目を擦りながら、身体を起こす。その仕草が愛らしくてつい目を細めて笑ってしまう。