第14章 ふくらみ…ふくらむ。 *
* * *
そう思って風呂の準備でもと立ち上がり、横をすり抜けると…陽奈子に手を引かれた。
「!…どうし」
「私は…杏寿郎にもっと触れてほしい…」
「陽奈子っ…だが、このところ疲れが堪って…っ!!」
俺の言葉を遮るように唇で塞がれた。
「…ん。足りないよ、キスだけじゃ…私は…したいって思ってる、よ…?杏寿郎は…したくない?」
頬を染めながら、潤んだ瞳で見上げてくる陽奈子の破壊力と言ったら…そんな事を言われて、断れる男がどこにいよう…
「君は、全くっ…人が労っていると言うのに…据え膳食わぬは男の恥と言ったものだな…」
「据え膳くわ…っんん!!」
言い終わる前にその口を塞ぐ。
荒々しく口付けて、舌先をぐいっと捩じ込むと、口端から吐息が漏れる。
「んぁっ…ぁ…」
「はぁっ…陽奈子…」
何度も何度も角度を変えて、小さな口内を犯していくと、口端から混ざりあった唾液が顎を伝う。
唇を離して、その液を指で掬うと見せつけるようにベロリと舐めとる。
「…っ!…きょ、じゅろ…」
「そんな可愛い顔をするな…壊してしまいたくなる」
顔を真っ赤に染めて、恥じらう姿が可愛くて…優しくしてやる余裕がなくなってしまう。
指の腹で小さな唇をなぞると、触れる程度のキスをひとつ落とし、陽奈子を横抱きにしてベッドへと運ぶ。
額、目蓋、頬、耳朶へとキスを落とし、首筋へと舌を這わせれば愛らしい嬌声が漏れた。
「ぁっ、…んんっ…」
「陽奈子…可愛い…」
「か、かわっ…んぁっ、やだ…はずか、しいからっ!」
「今更だろう…そんなに恥ずかしがってどうする?」
もう何度も身体を重ねたと言うのに、相変わらず慣れないのか毎回恥じらう陽奈子。そこも含めて可愛いと思うのだが…耳元で囁けばビクッと身体が弾む。
「…っ…耳元でしゃべらなっ…いで…熱くなっちゃ…ぁっ!」
いつにも増して感度がいい陽奈子に釣られて、俺の身体も徐々に熱を帯びてくる。
服の隙間からスッと手を滑り込ませ、膨らみを目指す。下着の隙間から手を滑り込ませ、やわやわと揉むと膨らみの先端がピンと硬さを増してくる。