第8章 気持ち
~煉獄side~
見たくない光景に、俺の身体は勝手に動いていた。
陽奈子に触れている、少年の手を振りほどき陽奈子を、横抱きにする。
「気安く触らないでくれるか…陽奈子は返してもらう」
そう睨みを効かせて少年を見れば、少し肩がびくっと震えた。
そのまま外へ出て、タクシーを拾って俺の家へ向かう。
タクシーに乗り込むと、虚ろな目をした陽奈子が口を開く。
「きょ、じゅろー?たくしーじゃ、なくても…あ、るいてかえれる」
「君は自覚がないようだな…仕置が必要だ」
陽奈子のうっすら開いた唇を自身の唇で強引に塞いだ。タクシーの中だとしても関係ない。今の俺は嫉妬でどうにかなってしまっているから…
「ふっ……んんっ、……ぷはっ!ま、まって……んんぅっ!!」
陽奈子は出せる力で俺を止めようとする。が、止めてはやらない。陽奈子に分からせるように、構わずキスを続けた。
タクシーから降りると再び横抱きにして、隙を与えないようにまたキスを落とし続けた。
部屋に入るとそのまま荒めにベッドに寝かせる。
陽奈子の身体は力をなくしベッドに沈む。
呼吸も浅く肩で息をしながら、瞳には涙をうっすら浮かべていた。
「陽奈子…」
「んっ、…はぁ、はぁ…きょ、じゅろ…」
酒のせいなのか、何時もより長めのキスで陽奈子は今にも溶けてなくなってしまいそうに蕩けた顔をしていた。
その顔にゾクリと身体が反応する。
「君が俺以外の男に、簡単に触れさせるから悪いんだぞ?」
そういうと続きをするように額、瞼、頬といろんな所にキスを落とす。
そのまま首筋に到達すれば、白く吸い付きのいい肌にがぶりと噛み付く。
「ぁっ、……ぅんっ、きょ、じゅろ…ちょっと、いた、い…」
「言っただろう?君には仕置きが必要だと…」
「ひぁっ!だ、だからっ、お仕置きって…んん、な、なにっ?」
"仕置き"の意味が理解出来ない陽奈子に、俺が嫉妬していた話をする。