第6章 シニカル【傭兵】
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試合が終わった後も、ナワーブとマーサはずっと話していた。
ナワーブのあんな表情は初めて見た。
楽しそうな笑顔…私の時は苦笑いだったくせに…
そんな不満が心の中でモヤモヤしている。
ダメだ、マーサは優しくて頼りになる人だ。
恨んだことなんて1度も無いし、これからもお友達として仲良くしていきたい。
私たちが付き合ってることは数人しか知らない。
勿論マーサだって知らない。
だから尚更……いや、やめておこう。
モヤモヤしすぎて試合にも影響が出ていた。
ハンターが目の前にいるのに突然泣いたり、ぼーっとしていたり、周りからはたくさん心配された。
今日出るはずだった試合は医師のエミリーにやめときなさいって言われて、自室でたくさん泣いた。
どうして私じゃダメなんだろう…
良く考えれば、いっつも話をしていたのは私の方で貴方は頷いてばかり。