第2章 共通プロローグ
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私はその荘園がある場所に向かった。
きっとこの大きな建物がそのエウリュディケ荘園なのだろう。
しかし、人の気配が全く感じられなかった。
本当にここであっているのだろうか?私は不安に駆られながらも大きなドアを3回ノックした。
返事は来ない、ドアの鍵が開く音さえ聞こえない。
勝手に入ってもいいものなのかな?
いつまでも待つのは嫌になり、私は思い切りドアを開けた。
鍵はかかっておらず、中に入ると真っ暗で何も見えなかった。
ル「……あの、ここってエウリュディケ荘園であってますか?」
誰も居ないのは気配で分かっているが、私は聞くことにした。
ル「………!!!」
すると、暗かった部屋がいきなりシャンデリアの光が灯され一気に明るくなった。
やはり、そこには1人も居なかった。
ル「誰も居ない…」
誰もいないのに電気が着いたのはどうしてだろうか、どうして誰もいないんだろうか。
そう頭の中で思考がグルグルと回りだし、パンクしそうになった時に声が聞こえた。
「ようこそ、エウリュディケ荘園に。」
声がした方向に振り向いてもやはり、誰もいなかった。
あぁ、ついに幻聴まで起こしてしまったのか…?
私もしかしてやばい…?
「……オーウェン様!」
思考に巡っていた為いきなり大きな声が聞こえてきて吃驚した。
ル「はいっ!!ってどうして私の名前を…?」
「当然です。私がオーウェン様をお呼びした張本人だからです。」
なるほど……つまりここの管理者ってことかな?
声は聞こえるのに姿は見えないのが気になって辺りを見回すと、聴音機のような物から声が聞こえていることに気づいたのだ。
ル「貴方様のお名前を伺ってもよろしいですか?」
「良いでしょう。私はナイチンゲール」
ル「ナイチンゲールさん。よろしくお願いします。」
「さて、貴方は今疑問に思っているでしょう。何故人が1人も居ないのか。」
正しくその通りだった。私のように誰かを招待してそうなのになと私は思っていた。
ただ、聞くのは失礼だと思って聞かなかったが、向こうから話題を出してきたなら別だ。