第9章 ヒステリックナイト【納棺師】
イ「僕のこと、殺そうとしたその思いに後悔させてあげますよ。」
不気味な笑顔の納棺師に落ち着いられるわけが無い。
笑った口の中がチラッと見えた。
そこにはやけに尖っている犬歯。
嫌な予感がする。
ゴクリ生唾を飲み込む。
___ゆっくり近づいてくるやけに美形な顔。
咄嗟にキスされる!と思った私は顔を横に向けた。
横に向けたということは、納棺師に首筋を丸出しにした状況だ。
納棺師はくすくす笑いながら私の首筋に噛み付いた。
『ッい!?』
自身の体に尖った牙がくい込まれるのは相当痛かった。
じゅる……じゅ……
私の血が今噛まれている所に吸い込まれていく感覚。
その感覚が気持ち悪く、頭がおかしくなりそうだった。
気持ち悪いと思っていたはずなのに…暫く経つと気持ちよくなっていった。