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裏夢短編集 【第五人格】

第8章 月下美人【配達員】



×××

私がαと分かったのは、本当に突然だった。

家系にαだったのはたった1人だけ。

その血を受け継いだのがこの私、ルイス・オーウェンだ。

私は〝特別扱い〟をされて生きてきた。

αってだけで、顔が良いとかスポーツ万能だとか、知的だとか、そういう目でしか私を見ていない人だらけだった。

実際にαの私は完璧人間だった。

でも…それが余計に私を苦しませる材料でしか無かった。

×××

このエウリュディケ荘園に来てからというもの、αとかβとかΩとか関係なく過ごしていきたいと私は思っていた。

でも__そんな願いは聞かない。

今日もどこかで噂されているんだ。

エウリュディケ荘園の仲間たちの殆どがβだ。

αなんて私を入れても、4人ぐらい。

Ωに関しては薬の効果のおかげで、誰かなど特定はされていない。
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