第5章 喧嘩は程々に!
おや?放課後なのに校庭に誰かいる?運動部かとも思ったけど三人しかいないから多分違う。
……あのターコイズブルーの髪はフロイドとその兄弟か。ということは、あの銀髪はフロイドに説教してた眼鏡くんか。
箒に跨ってるから飛行術の補習かな。暇だからちょっと行ってみよう。
「ボンジュール!飛行術の練習かい?」
「げっ……ウミネコくん」
憂鬱そうな三人へ近寄れば、フロイドが眉間に皺を寄せて明らかにうんざりした顔をした。
おい、さすがに傷つくぞ。
「そんな顔をしないでおくれ、フロイドくん。拳を交えた仲じゃないか」
「あんたと関わるとロクな目に合わないし、用がないならさっさとどっか行けよ」
ふーーーーん?そんな可愛くないこと言っちゃうんだ?
大体ね、短気な私も悪いけど、あんたから喧嘩ふっかけたようなもんだろ。その後の追いかけっこだってあんたがサボろうとするから私が追いかける羽目になったんだ。
まだ反省してないなら、お仕置きするしかないようだね。
「ルークさん。先日はフロイドが無礼なことをして申し訳ありませんでした」
「キミは……フロイドくんのお兄さんかい?」
「兄ではありませんが……ジェイド・リーチと申します。フロイドとは双子の兄弟です」
ふむ。双子でもここまで違うものなのか。物腰柔らかくて一見優男に見えるけど、こういう奴こそ要注意。計算高くて腹黒いからな。
残るは……銀髪眼鏡くんだけど……あ、視線に気付いてこっち見た。