第2章 S→N
翔ちゃんとの遠征。
ホテルは、俺と翔ちゃんの2人部屋。
さっき買ってきた酒を飲みながら、いつものようにたわいもない話をしていた。
『なんか…飲んでたら暑くなってきた(笑)』
翔ちゃんが、着ていたTシャツを脱いでベッドに投げた。
翔ちゃんの目が、なんとなくとろんとしている気がする。
「眠い?」
『うーん…まあちょっとね(笑)』
そう言って翔ちゃんは俺に近づいてきて、もたれかかってくる。
普段あんなにしっかりしてるのにさぁ………こんなん…可愛いよなぁ……
すると翔ちゃんが、ふぅ〜っ、と深く息を吐いて、俺のほうを向く。
……なんとなく直感が働いた。
「男」の顔だ。
「…ん?」
優しく聞いてみる。
翔ちゃんが唇を、俺の唇にそっと重ねた。
えっ………???