• テキストサイズ

【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第6章 言ノ葉【沙明】


ツバサは確か共同寝室に入っていったような……
だが、先程の彼女の様子を思い返すと、ここで無理に話をするのはかえって駄目なのではないのだろうか。
強引に聞き出そうとして、また心を閉ざしてしまったら。
でも、時間が無い。グノーシアが全員凍らされる、又はグノーシアが船を制圧するときが来たらループしてしまい、この行動は次のループではなかったことになってしまう。
そんなのダメだ。
交友関係は少なからず、ループに影響がある。
この状態でループを終えると、余計にツバサとの間に壁ができてしまう。
『まもなく、空間転移を開始致します。乗員の皆様は、速やかに自室へお戻りください』
ツバサのことについて考えていると、タイムリミットが来てしまった。
仕方ない……明日、またツバサに話しかけてみよう。
今度は、彼に邪魔されないように。
それにしても、沙明も妙だ。
ループをしていてわかったことだが、彼は女性の乗員に話しかけに行っては口説いて冷めた目で見られているが、ツバサにだけは一向に口説きに行かない。
彼のまだ開いていない特記事項に関係でもあるのだろうか……?
だが、ツバサは少なくとも沙明を嫌っているようには思えないし、その逆も然り。
まさか……いや、やめておこう。
ここからは、私が介入することではないだろう。
/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp