第3章 目は口ほどに物を言う【ラキオ】
今日の夜。ロビーには昨日の四人がいた。
「なんか、私そろそろ消されそうな気がするな……」
「そんなこと言わないでほしいのです……ツバサさんがいなくなったらあたし寂しいの……」
「まだ、守護天使の方も……いる、かもしれませんし」
守護天使は君の斜め前にいるよ、レムナン。
「そうだね。レムナンの言う通り、守護天使もまだ生きている可能性がある。ツバサが消されると決まったわけでもないし」
「うん、そうだね……ありがとう」
「何を話しているンだい?」
そこへ現れた極彩色。
昨日も来たけれど、またツバサを研究に手伝わせるのだろうか?
「ツバサさんが弱気になっちゃったので、みんなで励ましてました」
「次は、自分が消されそうって、言い始めましたので……」
「はン、まあグノーシアからすればツバサの存在は正直鬱陶しく感じるだろうね。ツバサが消されるのは順当なンじゃない?味方が発見されれば確定で人類の敵だと判断されて勢力が削られていく。そんな強い武器を壊そうとしないグノーシアはよっぽど脳がない奴だね!僕がグノーシアだったら昨日の夜にでもツバサは消していただろうけど、今夜にでも消されるンじゃないかな?アハハ!」
「っ………」
「ラキオさん!」
ツバサを言葉で追い詰めるラキオに、レムナンが怒りを露わにする。確かに、ラキオは言い過ぎだ。
ツバサも言い返せずに少し涙目になっている。
「まあこの中の誰かがグノーシアかもしれないしね。仮にそうだとしたらツバサと仲良くなっておいて油断させたところを攻撃するといったところかな?卑劣だね、とても醜い。それがグノーシアという存在だから仕方がないのかもしれないけどね!まあツバサは消されないようにせいぜい努力することだね」
ヘイトを買ったまま、ラキオはその場から去っていった。
ラキオがいなくなって静かになったロビー。
後でラキオを追いかけてみようか……?