第3章 目は口ほどに物を言う【ラキオ】
次の日。やはり敵はエンジニアであるツバサを狙ってきた。
守る先をツバサにして正解だ。
ツバサは誰を調査したのだろうか。
ドクターのどちらかを調査したのだったらかなりの手がかりになる。
「アッハ!誰も襲われてないって?敵さん失敗してんじゃん」
沙明がグノーシアの襲撃失敗を喜びながら嘲笑うように言う。
だが沙明がグノーシアだという可能性も捨てきれない。
が、その可能性はツバサの一言によって打ち砕かれた。
「昨日は沙明を調べたけど、グノーシアじゃなくて人間だったよ」
本物のエンジニアであるツバサの発言力はとても強い。
今後の話し合いでも彼女の発言は鍵となってくるだろう。
「これで沙明が人間だってわかったね、よかった」
ツバサは人間、あるいはグノーシアやその他の敵だと確定している人物に対しては確定で人間だ、敵だとよく言う。
私が言わなくても積極的に選択肢を消してくれるのだ。
「この俺が、天下晴れての人間様っつーワケ!ツバサお前、結構使えるやつじゃん」
沙明がツバサを下に見ているような言い方で感謝をする。
まあこれがいつもの彼なのだから仕方がない。
こうなると、対抗であるジョナスの疑惑が大きくなる。
だが、沙明がAC主義者かもしれない。
「みんな、ジョナスにはまだ投票しないでもらえないかな?今日の夜にジョナスの真偽を確かめたいんだ」
そうだね、ツバサの判断は正しいと思う。
私は賛成だ。
「ジョナスに構ってる場合じゃねェっつーわけだ。ドゥ・ユ・ァンダスタアーン?」
沙明、君今日よく喋るな。
でも賛成している人は多い。今日はジョナス以外の人が凍らされることになるだろう。
だが、そのあと全く意見がなかったのでそのまま投票に移る。
選ばれたのはSQ。
グノーシアは十五人中二人だけ。
しげみちはグノーシアだったし、あと一人。
早急に見つけよう。