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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第1章 ずっと昔から【沙明】


僕らにとっての最終日。
セツはシピを調べて、グノーシアだったと報告した。
よし、今日はターゲットのシピを吊って、二人の一度は切れた関係の糸を、また結ばなければ。
「皆、シピはグノーシアだってセツが報告してるし、信じてみてもいいんじゃないかな」
皆にシピに投票しろと促す。
「私は賛成だよ。怪しい芽は摘んでおくべきだから」
「投票前に根回しかよ。カーッ、さすがライト!ヤリ口がエグいっつーの。そりゃ豚みたいに従いますよ?逆らうと後が怖ェし」
グノーシアが集まってくる。
セツも周りの同意を求めて、ほとんどシピが凍ることが決定した。
投票に移る。
やはりさっきの効果もあってか、シピにみるみる票が集まり、コールドスリープが決定した。
"終了条件を満たしました"
画面が表示される。展望ラウンジに行こう。
そこには、沙明とツバサがいた。
もう先に行っていたのか。
二人は向かい合って無言で佇んだままだ。頑張れ、二人とも……!
「俺ら誰もオネンネしなかったな。楽勝じゃね?」
「ふふっ、そうだね………ミンくん」
「……!!お前っ……」
ツバサが昔の呼び方で沙明を呼んだ。
切なさの混じる甘酸っぱい空間の展望ラウンジ。
二人ともグノーシアとは思えないような雰囲気。
「あれ、ライト?」
後ろから声をかけられる。
「あ、セツ。今いい所なんだ、僕達は退散しよう」
「え、でもいいの?特記事項が解放されるかもしれないのに」
「シーっ。静かに。いいんだよ。今二人の邪魔をするなんて、神だろうと許されない。行こう」
「……そうだね、行こうか。ライト」
さあ、あとは二人次第だよ。
僕は心の中でずっと見守ってるから。
だから、どうか……
(二人がきちんと結ばれますように)
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