第22章 ※近い未来
妊娠する前もそうだが、杏寿郎は妊娠した後はもう本当に優しく優しく大切にを抱く。
ゆっくりと腰を動かして抽出し、またずぷずぷとゆっくり奥へ進む。首筋はずっとぞくぞくしたままで気持ちよく、何度も中でぎゅっと締め付けてしまう。締め付ける間隔が狭まってくると「一緒に良くなろう。」と杏寿郎も腰を動かす速度を速め、が達したのを見てから自分も昇りつめる。
今は中に出すと良くないので、太腿のあたりに出し、それをさっと懐紙で拭くと、の膨らんだお腹に口づけをし、を抱きしめる。
ぎゅーっと抱きしめながら「が愛おしい」と嬉しい言葉をくれる。
倖せな、倖せな、満たされた毎日。
そんな日々がもしかしたらもうすぐ終わってしまう。
でも、この時代で、もう6年も一緒に生きられた事が幸運だったと考えた方がいいのかもしれない。
少しでも多く、杏寿郎を見て、話をして、笑いあって、肌を重ねて。熱い心に触れて。
お別れの日が明日かもしれないと思いながら、その時が来ても後悔しないように。
杏寿郎にあなたのことが大好きっていう私の顔をしっかり見てもらっておく。
――― あの夢がただの夢でありますように。
――― 1日でも長く一緒にいられますように。