第130章 月とオリオン
「……先に話してんじゃねぇよ。」
「今更ですね。もう遅いですよ。」
エマは少し笑いながら言う。
「それにしても、お前は本当にバカなのか?」
リヴァイはそう言って
エマの目を注視した。
「俺がお前にそんなこと言われて、
“はい、そうですか。
それなら俺を見守って、
幸せを願っていて下さい。”
とでも言うと思ったのか?
俺がいつまでも冷静で居られると思ったのか?」
エマの手を握った
リヴァイの手に力が入る。
「いい加減にしろよ………」
リヴァイの少し震える声を聞き、
エマは思わず
リヴァイの顔を見入った。