第130章 月とオリオン
「リヴァイさん。
私は、リヴァイさんにとっての
月になりたいと思ってます。」
リヴァイはエマに目を向けた。
「リヴァイさんが
嬉しいときや楽しいとき、
悲しいときや辛いときも
私はリヴァイさんを見守っていたい。
………もし許されるなら、
時にはそっと手を差し伸べたい。」
エマは穏やかな表情で、話を続ける。
「私がいくらリヴァイさんの側に
居たいと願っても、リヴァイさんが
もう私を求めるつもりがないのは分かってます。
私の幸せを、私の為を思って
選択してくれたことも分かってます。
………でもそれならせめて、
遠くからでもいいので、
リヴァイさんを見守らせて下さい。
私にも、リヴァイさんの幸せを
願わせてください。」
エマがそう言いきった時
間を置かず、
リヴァイはエマの手を握った。